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事業承継

事業承継コンサルティング
顧問Kの承継心得帖

株価対策の是非(後)

「引き下げたほうが良い場合も」「お城に殿様は一人で良い」前回のコラムで、株価引き下げの必要性は高くないと申し上げましたが、例外があります。それは自社株式が分散している場合です。そのような企業は将来、トラブルの恐れがある為、一時的に株価評価額を下げて、自分の代での対策が必要になります。分散している株式の集約は後継者には出来ない仕事です。

自分からすれば兄弟やいとこが株式を持っているというような場合でも、後継者からすれば、叔父や叔母、親戚のおじさんおばさんに対して株式買取交渉をするということになるからです。先代ご自身が兄弟に対して交渉するよりも、遥かに難易度があがることは容易に想像がつくものと思われます。古参従業員に株式をもたせている場合も同様です。先代からすれば部下であっても、後継者からすれば経験豊富な大先輩に対して交渉することになるからです。

株式分散させないことは事業承継において重要です。「会社に関係のない株主が増えると、気を使わなければならないうえ、トラブルの種が増加する」との認識を持って下さい。親族内承継の場合、親としては会社に関係ない子供も含めて平等に株式を持たせたいと思われるオーナー様が多くおられます。しかし、この場合相続でもめることが非常に多く、その責任は分散させた先代にあります。「死んだあとのことは知らん、勝手にしろ、自分は平等に分けた」ではあまりに無責任で、会社の為になりません。平成30年度税制改正での事業承継税制特例において、後継者を3人まで設定できるようになりましたが、できるからといって分散させてしまうのは考えものです。「お城に殿様は一人で良い」「オーナーの最後の仕事は事業承継」と私は思うのですが、いかがでしょうか。